仮進級。野口健さんが中学から高校へ進む時、学校側が下した判断だ。外交官だった父親の仕事の関係で、野口さんは小学6年生の時、イギリスにある全寮制の学校へ転校。基本的には小中高エスカレーター式だった。 「落ちこぼれでしたね。全寮制の厳しい規律の中で生活態度も悪かったので、教師には『あいつを進級させると悪影響』と言われました。一方で『悪い人間じゃない。エネルギーを良い方に使うべきだ』ということで、「仮」に進級が決まったわけです。生徒会の選挙権は剥奪され、同級生からは『カリカリ』と呼ばれ、ひどい状況でしたね」。 しかも、その仮進級中、ケンカをして人を殴ってケガをさせてしまう。学校から言い渡された新たな決定は、停学だった。 「高校ぐらいは卒業しろ」と言われると予想して、野口さんは父親に報告。返ってきたのは「やめたければ、やめてもいいぞ」という言葉だった。 「これからは学歴社会じゃない。一流大学を出て一流企業に勤めても、引退したら何も残らない。どうせ生きるなら、『野口健』が肩書きになる生き方をしろ」。 |